こんにちは。
いきなりですが僕はあまりアニメを見ません。
アニメ映画は大好きなのですがテレビアニメが苦手なのです。
もっと言ってしまえばテレビドラマも苦手です。基本的に何話も続いていくようなものを追っていく行為が苦手と言えます。
しかし何にでも例外はあります。
僕にとってのそれが「SAMURAI7」なのです。
「SAMURAI7」とは
「SAMURAI7」は2004年にNHKで放映された全26話のアニメシリーズ。巨匠「黒澤明監督」の名作「七人の侍」を思いっきりSF方面にアレンジした作品。
舞台は未来(というかもはや別の星)。
大戦が終わり商人が世の中を牛耳る時代。侍は食いっぱぐれるか「野伏り」と呼ばれるゲリラに成り下がり農民から略奪行為を働いていた。カンナ村ではそうした野伏り(のぶせり)の略奪を撃退すべく七人の侍を雇う。
七人の侍を知っている人からすれば基本的なストーリーは同じですので説明はいらないでしょう。
「農民が侍を雇い野伏りを倒す」それだけです。
登場人物の名前も同じです。
しかし、それだけならリメイクする必要はありませんね?
そうです‼
ヴィジュアル面では凄まじいアレンジを施しております‼
主な変更点
まず敵は機械です。
えぇ……と思った人もいるでしょうが、せっかくアニメにするんですからこのくらい余裕ですよヨユー。
大戦中ではより武功をあげるため侍は機械の身体に改造していく設定になっており「強いやつ=デカいロボット」という訳です。
あ、ロボットに乗っている訳ではなく人間がそのまま機械化しています。
しかし全部が全部ガンダムのようなSFファンタジーワールドという訳ではなく、どちらかと言うとスチームパンク的といいますか……
農民は戦国時代のような農耕をしていますし、都も電子機器はありますが前の時代のものが残ってる程度のレトロな世界観なので基本的には時代劇のニオイを残しています。
決して原作を踏みにじっているようなことは無いので安心してください。
なお、味方は1人を除いて生身の侍です。
超強いので機械になるまでもなかったのかポリシーなのかお金の問題なのかは分かりませんがちゃんと人間です。
主な登場人物
・カンベエ
一応主人公なのかな?めっちゃ強い、落ち着いてる、渋い大人の魅力全開という師匠ポジションな主人公です。自らのことを「抜け殻」「負け戦しか知らぬ」とか言いつつ全く腐ってないバリバリの侍です。控え目に言ってカッコ良すぎです。
・カツシロウ
いいとこの坊っちゃんで侍に憧れる少年。序盤は超弱いしいいとこ無しですが、後に侍と認められ普通に強くなります。
いわゆる視聴者目線のキャラクターで物語が進むにつれ成長していくのですが闇落ちするわ振られるわと中々可哀想なヤツです。イケメンなので同情はしませんが。
・キクチヨ
農民出身で侍になるため味方では唯一機械の身体に改造している。何も考えず突っ走る愛すべきトラブルメーカーですが彼がいないと物語が動きません。コンプレックスから侍の在り方について人一倍悩むシーンが多く何だかんだ愛される今作品のアイドル。最後に一番泣けるシーンもアリ。
・ゴロベエ
序盤、侍と認めてもらえていないカツシロウ、キクチヨを除くと2番目に仲間になる侍。飄々とした面持ちだが参謀としての能力や戦闘力などめちゃくちゃ頼りになるキャラクター。しかし大戦のストレスでフィアレス(恐怖心欠乏症)になっており意識的に危険なことに飢えている。戦闘中、生命の危険を感じるとイキ顔になります。ド変態ですね。
・ヘイハチ
ニコニコして人当たりの良い癒しキャラ。大戦には工兵として参加しており武器を作ったり裏方での作業が得意。なお、人を斬ったことは無いと言うが普通にめっちゃ強い。いつもニコニコしているが自身の体験から裏切りを絶対に許さない怖い一面も持つ。1番屈折してそうな人。
・シチロージ
大戦時代、カンベエとバディを組んでおり「古女房」と称されるほど信頼されている。別名、桃太郎。比較的アクションシーンも多く頼れるアニキ的なキャラクター。マイナス面の描写もほぼなくイケメン野郎です。
p.s.ユキノさんは本当に良い女です。
・キュウゾウ
元々は敵でしたがカンベエと戦う約束のため敵を裏切りそのまま仲間に。無口で二刀流で作中最強のイケメンという中二病全開キャラ。ただ冷たいヤツという訳ではなく結構人間味ある描写もあります。超強いのに何かカワイイやつです。ナチュラルに「フッ」って笑います。
キュウゾウの最後は「えっ!?」となること請け合い。一見の価値アリです。
さすがに7人いると長くなるな……
作品の魅力
この作品の魅力を個人的に選ぶと…
・セリフのセンス
・ハードボイルドな脚本
・アニメとしてのバランス
ですかね‼
・セリフのセンス
僕がアニメやドラマに対する苦手要素の1つとして「わざとらしいセリフ」があります。
普通そんな口調でモノ言わんやろと思ってしまい冷める…というか恥ずかしくなってきます。(共感性羞恥っていうの?)
その点このアニメは時代劇が基盤となっているのでクサいセリフでも「昔言葉」として受け入れることができます。
各キャラクターの名ゼリフとされるものも短くシンプルに纏まっているところも好印象です。多くを語らないサムライの格好良さが出てます。
一例を挙げると、カンベエが繰り返し言う「お主、サムライか?」というセリフが各シーンによって意味合いが変わってくる展開が素晴らしいです。
また農民の訛り具合や貴族の嫌味ったらしい雅な言葉遣いも違和感なく聞けます。声優さんのことはよく分かりませんがレベル高いと思います。
・ハードボイルドな脚本
原作が既に世界的な名作なので脚本が悪くなるはずもないですが、アレンジした面も素晴らしいです。
村の巫女の持つ水晶のSF設定、都の存在、式守人の設定など……アニメ化した意味があるってもんです。
全26話の中に原作の良さ、オリジナル展開、キャラ立ち、淡い恋やサムライの孤独などの細かい心理描写がバランスよく詰まっています‼
やたらめったら叫んだりしなくても熱くなれる戦闘シーンも見事。(カツシロウ以外)
なにより味方もバンバン死んでいき、それをお涙頂戴な展開にせず「当たり前の戦場」として捉えている演出がいいっすね。
死ぬ度にいちいち感動しろってなったら萎えますよね。
・アニメとしてのバランス
偉大な原作を持ちながらここまで大規模なアレンジを加えでも破綻してません‼
それだけで満点あげれます‼
アニメにしたことで派手なアクションやガンダムを斬ったりなどある種、トンデモ侍モノとも取れますが、
せっかくリメイクするのであればこれくらいやってもらわないと張合いありません。
後半のオリジナル展開も序盤から原作にない都の存在を仄めかすことで違和感なくラストへ繋げています。(ちょっとダレるけどご愛嬌)
原作ではどちらかと言うと「理不尽に立ち向かう農民」がメインでしたがアニメでは「サムライとは」というテーマに重きを置いている印象です。
この作品は名作映画のように敷居の高いものではなく、誰でも簡単に見れるアニメなので、このテーマの変更も僕は正解だと思いました。
以上感想でした。
うーん、長い。笑
悪い面を言うと、
・後半ちょいダレる
・深く考えるとおかしい点もある
・原作ファンからしたらリメイクを受け入れられない人もいるかも
・NHKだからか出血の描写が少ない(その為の機械?)
くらいですかね。
まぁどれも僕は特に気にならなかったです。
細かい部分を気にしてたらサムライにはなれません。
グロい描写もないですが決して爽やかなアニメでもないので、今のアニメのような振り切った感じはなく、ある意味中途半端に感じられるかもしれません。
しかしこの作品はサムライの心意気を感じるためのアニメです。SF設定なんてオマケですよ。
一本芯の通った格好良いオッサンが格好良いこと言って活躍するんです。
もうそれだけでいいんです。
以上です。
気になった方はお暇なら是非観賞してみてはいかがでしょうか?
ちなみに僕はゴロベエさん推しです。
ご冗談を……
終わり‼