こんにちは。
皆様は日本最凶のバンド「人間椅子」をご存知でしょうか………
1987年結成、89年デビューの大ベテランにして日本ヘビーメタル界の至宝。
僕が現在活動するバンドの中で最も好きなバンドです‼
今回は2019年に30周年を迎えリリースされたアルバム「新青年」のレビューです‼
↑ジャケ写最高すぎるやろ………
人間椅子とは
和嶋慎治(Gt.Vo)、鈴木研一(Ba.Vo)を中心とした日本のハードロック、ヘビーメタルバンド。
バンド名は江戸川乱歩の小説からとっており、多くの楽曲に日本の文豪達の作品をモチーフとしたエッセンスを取り入れるなど独特な詞世界を構築している。
サウンド面では3ピースバンドとは思えないほど重厚なアンサンブルを誇り、HR/HMの枠に収まらずブルースやプログレなどの要素を取り入れ「王道と邪道」の両方を味わえる正にオンリーワンなサウンドを展開している。
ドラマーは流動的だったがここ10年はナカジマノブで固定されており、それまでの人間椅子に足りなかった「親しみやすさ」「明るいノリ」をプラスしてここ数年の快進撃に一役買っている。
そんな人間椅子の30周年を記念したアルバムがダメな訳がない‼
と、いうことでレビューだ‼
超個人的☆全曲レビュー
#1.新青年まえがき
今作のオープニングを飾るナンバー。
何作か前から1曲目はSE的な曲を配置するような作りになっていますが、
今回はそのSEが良い‼
デビュー曲とも言える過去曲「陰獣」のリフを踏襲したような「ワウペダル」が効いたギターが印象的。
さらに「新青年」というアルバムタイトルを意識した歌詞作りが行われており、(人間椅子にしては)とてもシンプルな歌詞+曲展開が気持ちいい。
正に1曲目に相応しいナンバーだ。
#2.鏡地獄
イントロは珍しくオクターブ奏法のフレーズから始まるが十分に重たい。
その後のエフェクトを効かせたアルペジオが不穏な雰囲気モリモリで最高‼
細かいテンポチェンジが多く技術的にも曲構成的にも「これぞ人間椅子‼」といったところ。
サビは(人間椅子にしては)美メロに仕上がっておりポップさも持ち合わせている。
もちろん代名詞であるギターソロも練られており聴きどころ満載。
サビ終わりが「地獄〜」なのは世界広しと言えど人間椅子だけではないか。
#3.瀆神
曲名は「とくしん」と読みます。
ベースの鈴木氏による作曲&歌唱曲。
ハードロックのお手本のような曲で鈴木曲と言えばコレ‼といったナンバー。
ライブで盛り上がること間違い無しなエイトビートが効いたノリの曲に和嶋氏の悪い歌詞が映える。
後半の展開は個人的に本作のベストかもしれないほどのお気に入り曲。
和嶋さんの伸びやかな「こぞってー」からの鈴木さんのダミ声による掛け合いはとても良い。
#4.屋根裏の散歩者
言わずと知れた江戸川乱歩の短編を冠したナンバー。
イントロの不気味さ満点のギターはファンなら待ってましたとなるフレーズ。
歌詞は小説とマッチした内容だが小説を知らなくても「世間からズレてしまった男」の悲哀を描いたものなのでジーンときます。
ただ、、ルーツである江戸川乱歩ネタを使った曲にしては正直盛り上がりに欠けたかな…といった印象。
好きな人ごめんなさい。
#5.巌窟王
鈴木氏作曲&歌唱のナンバー。
お得意の御経のような歌唱方法が映える。
鈴木さんの低いところでウネウネする歌が大好きな僕には大好物な曲。
だが、#3が凄く良かったためどうしても影は薄くなるかも…??
僕は大好き。
#6.いろはにほへと
ノリのいいライブ映えするであろう曲。
随所での「どっきーん」「ずっきーん」というコーラスが印象的。
近年の人間椅子はこういった「ちょいダサ」というか「狙った感」が垣間見える曲が増えている。
ライト層に向けてなのだろうが今回の「どっきんずっきん」は正直狙い過ぎでちょっと冷めてしまった。
おじさんが頑張ってカワイイことしようとした結果ちょっとズレてんなーって感じが良かったんだけどなー。
まぁそこを狙うのも難しいんだろうけど…。
歌詞は元ネタの通りロマンチック。
ドラムは小気味良くて格好良いです。
大正琴もね。
#7.宇宙のディスクロージャー
人間椅子お得意の宇宙シリーズ。
鈴木氏の曲らしくリフでドンドン攻めていくハードロックナンバー。
テルミン?が効果的に使われており宇宙感を醸し出している。
が、ちょい地味かな…。
#8.あなたの知らない世界
タイトルからして陰鬱な曲かと思いきやツーバスドコドコで攻め立てる攻撃的なナンバー。
これもライブ映え間違いなしである。
速くなる展開も格好良い。
今作で最もハードロック、メタル感が強いような気がする。
そしてギターソロが超☆格好良い‼
さらにサビ前の鈴木氏のボーカルが地味に良い。
スラッシーな良曲。
#9.地獄小僧
アルバムに1曲は入っているドラムのナカジマノブがボーカルをとる曲。
毎回とても良い曲なのだが今回の曲もとても良い。
元ネタはナカジマノブ氏の敬愛する日野日出志さんの漫画から。
ナカジマノブのボーカルはロックンロール感溢れるヤンチャな声が魅力なのだが、これが本当に「地獄小僧感」満載なのだ。
メロディもいいし「これでもか‼」というシャウトも最高。
ギターソロも格好良いし後半の締め方も新鮮なコーラスも全部良い‼
珍しく短く纏まってて聴きやすいし何気に今作のベストナンバーかも…??
#10.地獄の申し子
地獄シリーズ連続。
鈴木氏作詞作曲ナンバー。
やっぱりこーゆー「絵本の中の地獄」みたいな風景を描かせたら鈴木氏の右に出る人はいませんよ。
それにお得意のEのオープンコードで攻め立てるハードロックが最高に気持ちいい。
和嶋氏のギターもソロや随所のフレーズなど生き生きして聴こえる。
今作は鈴木曲がとても良い。
と思う。
#11.月のアペニン山
今作で1番レコーディングに時間がかかったという1曲。
怪しく寂しいギターと、初の試みである指弾きから繰り出されるベースが絡み不可思議な曲を構成している。
メロディが良いので違和感なく聴けるところが凄い。
地味にリズムやフレーズが細く変化しており聴くごとに深い。
#12.暗夜行路
またも鈴木曲。
前曲から暗い雰囲気を引きづる作りになっている。
しかし鈴木さんの曲は古き良きハードロックが元になっているので複雑ではない。
重いリズムをゴリゴリしたベースが引っ張っており、そこに暗い歌詞が乗る。
後半の妖しいフレーズも相まってラストに繋げるためのナイスな曲。
#13.無情のスキャット
今作のリードトラック。
YouTubeのPV視聴数がまさかの200万回を突破した人間椅子の新たな代表曲。
海外の反応がとても多く日本人として誇らしい気持ちにさせてくれた偉大な曲である。
イントロから神がかっておりAメロの重たいながらもスピード感があるフレーズ、サビは「シャバダバ」というフレーズで押す通す潔さ。
サビ前のハイハットだけになる部分が個人的に最&高。
8分を超える大作だが長さは感じない。
メロディ、サビ、展開、フレーズのどこを取っても完璧。
情報過多で脳の処理が追いつかない。
イントロのフレーズからラストの「これでもか」と言うほどのギターソロまで全く気の抜けないスリリングな8分間が堪能できる。
もちろん歌詞も渾身の出来。
深いが難しくなり過ぎず(人間椅子にしては)伝わりやすい言葉で構成されている。
流れも分かりやすい。
王道と邪道を往く正に神曲。
#14.地獄のご馳走
CDのみ収録のボーナストラック。
ドラムから始まる珍しいイントロが新鮮なナンバー。
ボーナストラックらしく音質がワザと荒っぽくなっているのが面白い。
しかしこの曲が素晴らしい。
ボーナストラックでありながらライブでは出番の多い曲であり、単純に格好良い。
スピード感のあるノリのいい曲だし、途中の展開も人間椅子らしくオドロオドロしい色を出している良曲。
ぜひともCDで聴くべし。
まとめ
30周年を記念したオリジナルアルバム「新青年」。
とても良いアルバムでした。
でしたが………
正直なところあと1歩……な印象がありました。
現在進行形の人間椅子が詰まっていますし、新たな代表曲やボーナストラックまで収録されていて大満足な仕上がりなのですが。。。
僕が感じ取れてないだけなのか…
なんだか捻りが足りないというか……
陰鬱さや暗い部分が少なかった……かも…??
近年の人間椅子はその知名度と比例して確実に明るくなっています。
もちろん良いことです。
ポジティブなものに人は集まります。
人間椅子が売れていくのはとても嬉しい。
しかし、
以前からのファンとしては「あの暗さ」が好きだったし「難解な曲」を欲してしまうのです。
ドロドロした気持ち悪い歌を……。
しかしながら、やっぱり名作ですよ。
なんやかんや言いましても。
21枚目のアルバムでまだこんなに良い曲が書けるってもの凄いことです。
しかもライト層にも向き合ってこの出来。
素晴らしいとしか言えません。
ということで最近の人間椅子がたっぷり詰まったハードロックな作品。
初めての方も聞きやすいと思いますので興味がわいた方は是非とも聴いてみてください‼
Ningen Isu / Heartless Scat(人間椅子 / 無情のスキャット)
以上‼
ほかの記事はこちらから↓↓